唐招提寺では、さまざまな催事があるのですが、その中でも「うちわまき」という参拝者にうちわをまく伝統行事があります。
うちわは、暑いときにパタパタと仰いで涼しくしたり、酢飯を冷ますために使用したり、浴衣などのアイテムに用いたり、用途はいろいろですが、古くは祭事に使われたり、顔を隠すために使われたアイテムでした。
ではなぜ、唐招提寺でうちわまきが行われるようになったのでしょうか?
今回は、唐招提寺のうちわまきについて解説していきます。
唐招提寺のうちわまきの由来は?○○○型のうちわがキュート‼
唐招提寺のうちわまきは、覚盛(かくじょう)上人の命日である5月19日に行われます。
覚盛上人は、鎌倉時代の高僧で鑑真和上が伝えた戒律を、厳守し更なる戒律復興につとめた指導者のひとりで、うちわまきが行われる前に「中興忌梵網会(ちゅうこうきぼんもうえ)」という、法要も合わせて行われます。
覚盛(かくじょう)上人が修行中に蚊に刺されているのを見て、その蚊を殺そうとした弟子に「自分の血を与えるのも菩薩行である」と戒めたという故事があり、それらの徳をたたえ覚盛上人が亡くなった後、「殺生をせずに、うちわで蚊を払ってあげよう」という尼僧が、「ハート」の型をしたうちわをお供えしたことが始まりだといわれています。
なぜハートの型になったのか?
そのあたりははっきりとはしていないのですが、かわいい型ですね。
唐招提寺のうちわまき当日は、鼓楼(舎利殿)からハート型のうちわが参拝者にまかれ、うちわを授かった人は、病魔退散や魔除けのご利益があるといわれています。
唐招提寺のうちわまきは、一本一本手作りで今年は1月19日から製作作業が開始されたそうで、3500本のハート型のうちわが作られました。
今年の唐招提寺のうちわまきは既に終了していますが、今年は4年ぶりに一般の参拝者先着100人がうちわまきに参加できたそうです。
新型コロナウイルス感染症に伴い、2019年から3年間は関係者のみがうちわまきに参加できたとのことです。
関係者とは?
住職の身内とか?
誰なのだろう?
とふと考えてしまいましたが、皆さんはどんな人たちが唐招提寺のうちわまきに参加できたと思いますか?
唐招提寺のうちわまきのとき雨天時もうちわはまかれる?!
唐招提寺のうちわまきが行われるのは、5月中旬の初夏の良い季節です。
お天気も良い日が多い季節だと思います。
しかし、天気も気まぐれで晴天ばかりが続くというわけにもいきません。
唐招提寺のうちわまきの日が、もしも雨天時ならばうちわはまかれるのでしょうか?
雨でうちわが破れたり、ずぶ濡れになって台無しになったりすることはよくありません。
唐招提寺のうちわまきは、今年4年ぶりに一般の参拝者にもうちわが用意されたとのことですが、あいにくの雨模様となり、うちわをまく行事は中止となったようです。
高楼(舎利殿)から、ハート型のうちわをまくのが、見応えがあるのですが雨天時にはかなわないようですね。
そこで、うちわをまくことができない代わりに、参拝者一人ひとりに手渡しで配られたそうです。
このような形でも、唐招提寺からの心温まる振る舞いを感じることができますね。
ありがたや、ありがたやといった感じです。
唐招提寺のうちわまきは5月19日に参加券が先着順に配られます。
うちわまきへの参加希望者で、20歳から60歳の健康な人限定なので、次回のうちわまきに参加してみてください。
参加券は9時から配布されているそうですが、何より先着100名とか参加人数に制限があるようなので、まさに早いもの勝ちです‼
ちなみにうちわまきは15時からです。
参加券の代わりに、うちわの抽選券もあるようです。
抽選券は9時から14時30分まで参拝者全員に配布され、うちわまきの後に抽選発表があり、今年は400名にうちわが配られました。
参加券や抽選券を手に入れて、うちわまきが始まるまで、唐招提寺に滞在しなければいけないことはなく、券を見せれば再入場も可能です‼
うちわまきが始まるまで、唐招提寺の近くでランチをしたり周辺を散策したり、他のお寺を参拝するなど奈良を満喫してみるのもおすすめです。
ぜひハート型のかわいい、うちわをゲットしてみてください‼
唐招提寺では、境内の売店にて1枚1000円(税込み)で販売されているそうなので、確認もお忘れなく‼
唐招提寺のうちわまきの由来とは?【まとめ】
唐招提寺の年中行事の一つとして、覚盛上人の命日である5月19日にうちわまきが行われ、うちわを受け取ると、病魔退散や魔除けのご利益があるといわれています。
唐招提寺のうちわまきの由来は、覚盛上人が蚊を殺そうとした弟子を戒めた故事にちなんで、うちわで蚊をはらうということにちなみ、覚盛上人の死後うちわを供えたことが始まりとされています。
唐招提寺のうちわまきは、雨天の場合は中止されることもありますが、うちわがまかれる様や上から落ちてくるうちわをキャッチして、一度はうちわまきに参加してみたいものです。
次回、唐招提寺のうちわまきにぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?