日本最強のパワースポットともいわれる伊勢神宮。一部では「個人の願い事をしてはダメ」という言い伝えがあります。
しかし、歴史や縁起を紐解くと、必ずしも個人的なお願いがダメな訳ではないのです。
今回は個人のお願いをしてはダメといわれる理由と、国内最強のご利益をもって願い事が叶う参拝方法について解説します。
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伊勢神宮で個人のお願い事がダメな理由
ずばり、天皇が国の安寧を祈る目的で建立に至った神社だからです。
かつて天皇は、祖先神である天照大神の身代わりの八咫鏡(やたのかがみ)と寝食をともに過ごしていました。
やがて日照不足による飢饉や、権力争いで命を落としかけた経験から、身代わりを畏れ多い存在と感じ、どこか遠い場所に安置したいと考えました。
皇后や娘に依頼し100年近くかけて安置場所を伊勢に決めた後、1,000年以上の長きにわたって代理の親族や代々の宮司が内宮正殿にて天照大神の身代わりを治めていました。
今でも内宮正殿の内部は天皇も含め、宮司以外入れないしきたりがあります。
伊勢神宮ではどのようなことをお願いすればよいの?
内宮や外宮の正殿は天皇が国の安寧や発展、五穀豊穣を祈るために建てられました。
したがって「国の繁栄」や「国全体の食料自給率向上」などをお願いするとよいでしょう。
また、豊かな自然や恵まれた生活環境への感謝を伝えることがおすすめです。
伊勢神宮で個人のお願いをするなら
*別宮参拝
通常、神社は一社一宮が原則です。
一方で、伊勢神宮の内宮と外宮にはそれぞれ「別宮(べつぐう)」が存在します。
別宮は、正殿に祀られている神様に関連する縁者の神様が祀られています。
また、神道のコアな思想の一つに「一柱の神には異なる性格の魂が複雑に絡みあっている」という考えがあります。人間でいう性格のようなものです。
主に2つに分かれそれぞれ「和魂(にぎだま)」「荒魂(あらだま)」と呼ばれます。
・和魂
神の仁徳が高い、柔和な面の魂です。さらに幸魂(さきみたま)と奇魂(くしみたま)に二分されます。それぞれ恵みをもたらす部分と、己をわきまえる部分を意味します。
・荒魂
神の荒々しく、猛々しい面の魂です。かつて疫病や飢饉にさいなまれたことは、天照大神の荒魂の怒りに触れたからとされています。正殿に祀られている神様は「和魂」のほうです。
内宮と外宮のそれぞれの別宮には、縁者の神様のほかに「荒魂」を祀ったものがあります。
天照大神も、豊受御大神も、10社と4社の別宮の第一位は荒魂の宮です。
正式名称をそれぞれ「荒祭宮(あらまつりのみや)」「多賀宮(たがのみや)」といいます。
個人のお願いに適しているのは?
ずばり、神の「荒魂」である、第一位の別宮です。
人間でいうと「別の人格」に相当します。
神の穏やかな表向きの部分で国の発展や豊穣をお願いし、影の荒々しい部分で個人のお願いをします。
感覚としては、社長へ仕事についての感謝を伝え、プライベートで個人的なお願いをするといったところでしょうか。
荒々しく猛々しいプライベートの時であれば、どのような願いも力ずくでかなえてもらえそうですね。
[blog_parts id=”37952″]伊勢神宮では願い事はダメなの?【まとめ】
伊勢神宮では「個人的なお願いをしてはいけない」という言い伝えがあります。
それは、必ずしも禁じられている訳ではなく、神社の在り方や性格からそのように伝えられています。
本来は、天皇が国の平和や安寧を願うために建てられた神社です。国の幸せを祈ったり感謝したりする場所という位置づけをされているがゆえの言い伝えです。
また、神宮の内宮と外宮には「別宮」という縁者などの神が祀られています。
別宮は神の別神格である、「荒魂」を祀る荒祭宮や多賀宮が別宮の第一位を誇ります。
感覚としては、会社の社長にプライベートなお願い事をする、といったところでしょうか。
個人の願い事をすれば、ダメと言わせないために力ずくで解決してもらえそうな参拝方法です。