かつて多くの来場者を震え上がらせたハウステンボスのお化け屋敷。
しかし、いつの間にかその姿は園内から消えてしまいました。
「楽しみにしていたのに見当たらない」「なぜなくなったの?」と疑問に思った方も多いはず。
この記事では、ハウステンボスからお化け屋敷が姿を消した理由を、過去の施設情報やリニューアル背景、そしてネットで囁かれた“あの噂”まで、分かりやすく解説します。
ハウステンボスのお化け屋敷はいつまであった?

ハウステンボスには、かつて「スリラーシティ」と呼ばれるホラーアトラクション専用のエリアが存在していました。
このゾーンは、ヨーロッパの街並みにホラーを掛け合わせた異色の空間で、ちょっと大人向けのスリルを求める来場者に人気を集めていました。
スリラーシティというホラー特化エリアの存在
「スリラーシティ」は、2000年代から2010年代を中心に運営されていたエリアで、薄暗く演出された路地の中に複数のホラーアトラクションが密集していました。
通常のハウステンボスの“キラキラ系”とは真逆のテイストで、怖いもの見たさで訪れるカップルや学生グループなどで賑わっていました。
「監禁病棟」や「ナイトメア・ラボ」など人気アトラクション
代表的なお化け屋敷としては、「監禁病棟」「日本の怪談屋敷」「ナイトメア・ラボ」などがあり、いずれも単なるびっくり系ではなく、ストーリー性や設定にこだわった作りが特徴でした。
特に「監禁病棟」は“本当に怖い”と話題になり、SNSや口コミでも度々取り上げられていた施設です。
しかし、このスリラーシティは2020年3月のリニューアルに伴い閉鎖され、ホラーアトラクション群もその姿を消すことになりました。
ハウステンボスのお化け屋敷がなくなった理由3選

ハウステンボスの「お化け屋敷」が園内から姿を消したのは、単なる人気低下や経年劣化だけが理由ではありません。
ここでは、運営方針や外的要因をふまえた3つの大きな理由を紹介します。
光のファンタジアシティへのリニューアル
2020年、スリラーシティは「光のファンタジアシティ」へとリニューアルされました。
この新エリアは、「五感で楽しむ幻想的な体験」をコンセプトに、プロジェクションマッピングやAR(拡張現実)など、先進的な技術を駆使した空間演出が特徴です。
このリニューアルにより、恐怖やスリルを提供する従来のお化け屋敷は、施設全体の方向性と合わなくなり、結果として完全に撤去される形となりました。
感染症対策による“密”回避
新型コロナウイルスの感染拡大が本格化した2020年前後、全国のテーマパークが「三密」回避を徹底する必要に迫られました。
お化け屋敷は構造上、狭くて暗く、来場者が固まって進むスタイルのため、「密閉・密集・密接」の三拍子がそろいやすい施設でした。
このため、ホラー系施設は感染リスクの観点から、運営が難しくなっていったと考えられます。
特にハウステンボスのような家族連れの来場が多いテーマパークでは、安心・安全の確保が最優先されます。
「本物が出る」系の噂の影響?
ネット上では、一部のお化け屋敷に「本物が出る」といった噂が流れていたこともあります。
とくに「監禁病棟」は、ストーリー性が妙にリアルだったこともあり、「演出ではない何かを見た」といった口コミも散見されました。
もちろんこうした話の多くは都市伝説の類ですが、来場者の不安を煽る要素としては無視できません。
運営側としても、そうしたネガティブなイメージを払拭し、よりポジティブでファミリー向けの方向へ転換したかったのかもしれません。
現在のハウステンボスにホラー体験はあるの?

お化け屋敷が完全撤去された今でも、「ハウステンボスにホラー要素は一切ないのか?」と気になる方もいるかもしれません。
実は現在でも、期間限定イベントや演出の一環としてホラー的な体験を味わえる機会は存在します。
期間限定イベントとしてのホラー演出
ハウステンボスでは、毎年秋になると「ハロウィーンイベント」が開催されます。
この時期には、スタッフがゾンビやモンスターに扮して園内を徘徊したり、子ども向けの“びっくり屋敷”的な仕掛けが登場したりと、期間限定の“なんちゃってホラー”を楽しむことができます。
ただし、以前のように常設の本格お化け屋敷が登場するわけではなく、あくまでイベント演出としてのホラー体験にとどまっています。
「光の幻想」へシフトした方針とは?
現在のハウステンボスは、昼夜問わず光と映像の演出を前面に打ち出しており、「日本一のイルミネーション」や「光の王国」など、SNS映えを意識した展開にシフトしています。
こうした方針のもとでは、お化け屋敷のように“怖くて暗い空間”は、世界観にそぐわなくなってしまったのが現実です。
つまり、今のハウステンボスにおいて、ホラー系アトラクションの“居場所”がなくなってしまったというわけです。
まとめ|ハウステンボスのお化け屋敷の復活はある?
ハウステンボスからお化け屋敷が姿を消した理由は、単に施設が古くなったからではなく、施設全体の方向性の変化や感染症対策など、複数の要因が重なった結果でした。
とくに「光のファンタジアシティ」へのリニューアルによって、明るく幻想的な世界観を重視するようになったことが、ホラー系施設の排除につながったと言えるでしょう。
また、「怖い」よりも「美しい」「楽しい」といった感情を軸にしたコンテンツ展開が進んでいる現在のハウステンボスでは、お化け屋敷のような重苦しい演出はやや浮いてしまう傾向にあります。
とはいえ、期間限定イベントとしてのホラー演出は今も健在で、将来的に何らかの形で“復活”する可能性もゼロではありません。
特に「レトロ」や「昭和ホラー」などがトレンド化すれば、あえて逆張りで“懐かしのスリラーシティ復活”といった展開も期待できるかもしれませんね。