写真で見ても、実際に見ても、金色の輝きをはなつ金閣寺は圧巻ですね。
この金閣寺の輝きは、足利三代将軍義光の時代にはすでに存在していたと思うと、歴史の奥深さを改めて感じます。
京都に足利義光が実在したことや、金閣寺が建てられて600年余りの経過ももろともせず、人々のこころに感動をあたえている金閣寺は、日本の誇るお寺のひとつとなります!
すごい義光殿!あなたの建てた金閣寺は今や、世界の観光名所になっていますよ~と伝えてあげたいですね。
今回は、そんなキラキラと輝く金閣寺の金箔の張り替えに関することや、いつ張り替えられたのか?など金閣寺の謎を探ってみたいと思います。
最後までどうぞお付き合いくださいね。
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金閣寺の金箔の張り替えは難問続出?
1950年(昭和25年)に、全焼してしまいます。
その後、1955年(昭和30年)に再建されるのですが、金箔の張り替えも行われました。
当時は約2㎏の金箔が使用されたとのことですが、たった10年ほどでボロボロに剥がれ落ちることになるとは、この時は誰が想像したでしょう〜?!
この1955年の金閣寺再建のとき、金箔の張り替え工程として木材に漆を塗りますが、これが下地の役目をはたしました。
その上に金箔を貼っていったのですがその後、時の経過とともに、金箔に小さな穴(ピンホール)があいてしまったのです。
これは、金箔の厚さが余りにも薄すぎたことが原因で、金箔が紫外線に当たることで穴があいてしまったのです。
すると、その穴から紫外線が入り込み、下地となっている漆は分解され、白くなる現象が起きてしまい金箔も剥がれ落ちたのです。
漆は紫外線に弱い性質だったのですね。
そこから、金箔の張り替えの構想を考えなければなりません。
金箔が剥がれないように!!
たった2㎏の金箔では……ちょっと……
「もっと大量の金箔が必要じゃ〜」と、義光なら鶴の一声で、直ちに修復させていたのでしょうか???
必然的に大量の金箔が必要なことは研究の上でもはっきりしていたとのことですが、金箔を使用する際、10000分の1が常識の範囲でした。
しかし、実験や研究で新たに分かったことが、義光はもっと分厚い金箔を貼っていたのではないか?ということにたどり着いたのです。
そこで厚さ5ミリの金箔を使用することに決まります。
しかし…
ここでまた問題が発生するのですが、金が増えるとより強力な下地、つまり「漆」が必要になります。
漆は、接着剤の役目を果たしますので、厚さ5㎜の金箔が剥がれないように耐久性が求められます。
さあ、ここから世界をまたいで漆探しが始まるのですが、どこにもありません。
なんだか、シンデレラのガラスの靴の持ち主を探すみたいなWWW
そして、ついに待望の「漆」が見つかります。
江戸時代から続く漆職人が手掛ける「浄法寺漆」が岩手県で発見されたのです!!!!
接着力はトップクラスで、厚さ5㎜の金箔も剥がれることはありませんでした。
スゴイ!!!やったぁ~!!よかった〜!!
1987年(昭和62年)昭和の大改修とも称された金閣寺は、1年と8か月の歳月をかけて、義光建立当時の輝きを再現することになりました。
金閣寺の金箔の張り替えは、金沢の金箔押師や、木曽平沢の漆職人の人々の高度な技術で金閣寺は修復されたのです。
金閣寺のここまでの張り替えは、一時は不可能とさえ言われましたが、まさにスペシャリストたちの結集ですね。
金閣寺の張り替えは最近ではいつ頃おこなわれたの?
いつ見ても、金ピカで目を奪われる金閣(舎利殿)ですが、1986年の昭和の大改修のときに大々的に張り替えられました。
また、2003年に全面改修されているのですが、このときも傷んでいる部分を含め、一部張り替え作業が行われたそうです。
それから、この金閣寺の輝きが保たれているのは、実は毎日点検されている人物がいらっしゃるとか!
金箔押師の柳生健智さんという方で、開門の9時までに金泊の汚れや埃の付着、傷などがないかの点検をされているそうです。
こんなところで、毎日しっかりとメンテナンスが行われていたのですね。
見えないところで、こんな働きがあったのかと思うと「ありがとう」の言葉しかありません。
金閣寺の張り替えの値段はおいくら?何回張り替えられたの?
1950年に再建されたときの金の原価だけでも、おおよそ1170万円の費用が掛かったそうです。
1986年〜1987年の大改修のときは、当時の金の原価だけで2億6860万円の費用がかかったそうですが、実際は厚さ5㎜の金(20㎏)が必要なことから、値段も一気に飛び跳ねたことになります。
ちなみに、義光の頃は現代のお金に換算すると、数百億円の費用が掛かったそうです。
張り替えの回数も、1955年の再建から2003年の全面改修の一部張り替えを合わせると3回行われていることになりますが、全面的にみると2回の張り替え作業が行われたことになります。
金閣寺の貼り換えはいつ?【まとめ】
金閣寺の張り替えは、さまざまな問題を抱えながらも、多くの人々の力の結集で絢爛豪華な金閣寺として修復されました。
金閣寺は莫大な資金と、何度も修復や張り替えが行われてきましたが、そこには沢山の人たちの手が加わり、今でも変わらない金閣の輝きが保たれているのではないでしょうか?
国内はもちろん、世界中から多くの観光客が訪れる金閣寺は、これからも義光が当初建てた金閣寺をそのままに、いつまでも黄金の輝きを放ち続けてほしいものです。
世界遺産「大切な文化財」のひとつとして……
最後までお付き合いいただきありがとうございました。