八景島シーパラダイスのジンベエザメ|現在の状況や過去のイルカとの共演について

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「ジンベエザメ」と聞くと、沖縄の美ら海水族館を思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし実は、神奈川県の八景島シーパラダイスでもかつてジンベエザメが展示されていたことをご存知でしょうか?

2010年から2019年の約9年間で、3頭のジンベエザメが来園し、イルカと同じ水槽で展示されたり、アクアミュージアムで悠然と泳ぐ姿を披露してくれていました。

八景島シーパラダイス ジンベエザメ 現在(2025年6月時点)は飼育されていませんが、関東でジンベエザメに会える貴重な場所だったのです。

本記事では、過去に展示されたジンベエザメの記録や個体エピソード、現在の展示状況や再展示の可能性まで、最新情報をもとに詳しく解説します。

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目次

ジンベエザメがいた!八景島シーパラダイスの貴重な記録

いつからいつまで飼育されていた?

八景島シーパラダイスでは、2010年から2019年の間に計3頭のジンベエザメを飼育・展示していました。

いずれも千葉県館山沖の定置網に迷い込んだ個体を保護したもので、短期間の展示も含めて、多くの来場者にその姿を披露してきました。

展示されていた場所はどこ?(ショープール/アクアミュージアム)

最初の2頭はイルカショーのプールで展示されており、イルカと同じ水槽で過ごしていたのが大きな特徴です。

最後の1頭は2018年に来園し、アクアミュージアム内の大水槽にて展示されました。

ジンベエザメがアクアミュージアムで展示されたのはこれが初めてです。

飼育された3頭の個体とエピソード紹介(七海・八兵衛・2018年個体)

七海(ななみ)|2010〜2016年

メスのジンベエザメで、全長約6.9m。

2010年に来園し、約6年間にわたり展示されていました。

ゆったりと泳ぐ姿が人気を集め、東日本唯一のジンベエザメ展示として話題に。2016年10月に死去。


八兵衛(はちべえ)|2014年

オスの個体で、2014年に短期間展示された2頭目のジンベエザメです。

同年7月に死亡し、短命に終わったものの、名前付きで展示されたことから印象に残っている来場者も。


名前不明の3頭目|2018〜2019年

体長4.5mのオスで、2018年8月に保護され、同年10月よりアクアミュージアムにて展示開始。

初の「館内水槽」での展示となりましたが、2019年2月に餌を食べなくなり、そのまま死亡しました。


イルカショーとの共演が話題に!来場者の反響は?

ショープールでの展示と共演演出

八景島シーパラダイスでは、最初に展示された「七海」と「八兵衛」の2頭がイルカショーの舞台でもあるショープールで飼育・展示されていました。

ジンベエザメとイルカを同じ水槽内で共存させるというのは非常に珍しい試みであり、水族館ファンや動物好きの間で大きな注目を集めました。

ショーでは、イルカがジンベエザメの頭上をジャンプしたり、周囲を旋回して泳いだりと、ダイナミックで幻想的な演出が繰り広げられていました。

ゆっくりと泳ぐジンベエザメの背後でアクロバティックなイルカのジャンプが決まる瞬間は、まさに「夢の共演」だったといえます。

ただし、ジンベエザメは非常に繊細な生き物であり、共生には多くの工夫が必要だったとされています。

水温・水質の管理はもちろん、イルカの運動量による水の攪拌や音響環境にも配慮が必要だったため、飼育スタッフの努力があってこその演出でした。

SNSの反応・当時の来場者の声

ジンベエザメとイルカの共演は、SNSでも話題になっており、当時のX(旧Twitter)では多くの来場者がその驚きと感動を投稿していました。

「ジンベエザメとイルカが同じ水槽ってどういうこと!?すごすぎて泣きそう」
「八景島でしか見られない貴重な光景だった…もっと写真撮っておけばよかった」
「イルカのショーを見に行ったら、後ろにジンベエザメがいて二度びっくり!」

こうした反応からも、一度見たら忘れられないインパクトがあったことがうかがえます。

特に「七海」の泳ぐ姿は非常に穏やかで、イルカたちのスピーディーな動きとの対比が際立っていたとの声も多く見られました。

このように、ただ展示するだけでなく、他の動物との関係性を含めた演出があったことが、ジンベエザメの記憶を特別なものにしているのです。


なぜジンベエザメは短命なの?飼育の難しさ

餌を食べなくなる繊細な性質

ジンベエザメは世界最大級の魚類であると同時に、極めて繊細な性質を持つ生き物です。

八景島シーパラダイスで飼育された3頭のうち、2頭は「餌を食べなくなった」こと命を落としたと報道されています。

例えば、2019年に亡くなった3頭目のオス個体は、展示から約4ヶ月後の2月に急激に食欲が落ち、数日後に死去しました。

1日あたり約17kgのオキアミや小魚を食べていた「七海」も、死亡の1ヶ月ほど前から同様の兆候を見せていたといいます。

こうした「摂餌行動の停止」は、飼育下のジンベエザメが命を落とす共通の兆候として知られており、最も深刻な飼育リスクの一つとされています。

過去の死因(腸炎など)の公式発表

八景島シーパラダイスによれば、最初の2頭(七海・八兵衛)の死因は「感染性の腸炎」だったと報告されています。

水族館側は研究機関と連携して詳細な死因を調査しましたが、明確な予防法や対策は確立されていません。

また、イルカなど他の海洋生物に比べてジンベエザメは消化器系のトラブルに極端に弱いとされており、たとえ一時的に回復しても再発リスクが高いことが課題となっています。

死因の多くは、単純な病気というよりも、環境変化・ストレス・給餌不良などの複合的要因と見られており、水族館での長期飼育がいかに難しいかを物語っています。

巨大水槽でも足りない?設備の限界と課題

ジンベエザメは成長すると体長10mを超えることもある巨大な魚で、飼育には深さ・広さともに十分な水槽が必要です。

八景島では横35m・奥行20m・水深6mのプールやアクアミュージアムの大水槽を使用していましたが、それでも「完全に快適なサイズ」とは言えません。

さらに、水温管理・水質浄化・大量の給餌システムなど、維持費用も非常に高額であり、スタッフには高度な飼育技術と常時の健康モニタリングが求められます。

そのため、現在日本国内でジンベエザメの飼育が可能な施設は非常に限られており、飼育環境の構築そのものが大きなハードルとなっています。


現在ジンベエザメは見られる?全国で見られる水族館リスト

ジンベエザメは、その巨体とおだやかな性質から「海の王者」として多くの人々を魅了してきましたが、2025年現在、日本国内でジンベエザメを常設展示している水族館はごくわずかです。

2025年現在、ジンベエザメが見られる水族館一覧(※随時変動あり)

水族館名所在地備考
沖縄美ら海水族館沖縄県本部町世界有数のジンベエザメ展示。複数頭の同時飼育も実績あり。
海遊館大阪府大阪市世界最大級の水槽「太平洋水槽」で展示。撮影スポット多数。
いおワールド かごしま水族館鹿児島県鹿児島市体験型展示あり。個体の成長に応じて放流実施。

のとじま水族館は現在休館中(2024年の能登半島地震の影響)

石川県七尾市にある「のとじま水族館」もジンベエザメの展示で知られていましたが、2024年1月の能登半島地震により現在は長期休館中となっています。建物や設備の損壊が激しく、復旧には時間がかかる見通しです(2025年6月時点)。

公式発表によると、復旧後の再展示の有無は未定とされており、現地の支援や寄付活動が続けられています。

関東でジンベエザメが見られる施設は「ゼロ」

かつて八景島シーパラダイスが関東唯一のジンベエザメ展示館として知られていましたが、現在は関東地方で常設展示されている施設は存在しません。

そのため、関東在住者がジンベエザメを観察するには、旅行を兼ねて大阪・沖縄・鹿児島などへ足を運ぶ必要があります。


再び八景島でジンベエザメに会える日は来る?再展示の可能性は?

八景島側の過去コメントと現在の状況

八景島シーパラダイスでは、最後のジンベエザメが死亡した2019年当時、広報担当者が「研究機関と連携して死因を究明し、機会があればまた飼育したい」とコメントしていました。

しかし2025年現在までにジンベエザメの再展示は行われておらず、公式サイトなどでもその後の具体的な計画は発表されていません。

背景には、これまでの3頭すべてが数年以内に死亡している事実があり、ジンベエザメの長期飼育の難しさとリスクが改めて認識されたことも関係していると考えられます。

再展示のために必要な条件とは?

ジンベエザメの再展示には、以下のような高いハードルがあります。

  • 超大型・高深度の水槽設備の確保
  • 大量の餌と水質・水温の細かな管理
  • 健康状態を長期モニタリングできる専門スタッフの常駐
  • 緊急時の医療体制と代替飼育スペースの用意

また、飼育するジンベエザメはたいてい若い個体のため、成長にともなって水槽が手狭になり、放流を検討しなければならないという課題もあります。

こうした点を踏まえると、八景島が現施設のままで再展示を実現するにはかなり高いハードルが存在しているのが現実です。

来場者としてできること(環境保護の視点)

ジンベエザメは絶滅危惧種(IUCNレッドリスト・EN=絶滅危惧)に分類されており、保護の対象としても注目されています。
プラスチックごみの誤飲や海洋汚染が、ジンベエザメをはじめとする大型魚類に大きな影響を及ぼしていることも報告されています。

私たちにできることは、「また展示してほしい」と願うだけではなく、海洋環境を守るための行動を日常から意識することです。

例えば

  • マイボトルを使う
  • ゴミを減らす
  • エシカル消費を心がける

こうした小さな選択が、未来のジンベエザメ展示の可能性を後押しする一歩になるかもしれません。


まとめ|八景島のジンベエザメは今いないが、確かにそこにいた

八景島シーパラダイスでは、2010年から2019年の間に3頭のジンベエザメが飼育・展示されていました。

初代「七海」は6年間にわたってイルカと同じ水槽で泳ぎ、来場者の記憶に残る存在となりました。

2頭目「八兵衛」も短期間ながら展示され、3頭目は初めてアクアミュージアムの水槽で展示されましたが、いずれもその命は長く続きませんでした。

現在、ジンベエザメの展示は八景島では行われておらず、関東でその姿を見られる水族館も存在しません。

それでも、あの巨大な魚が泳いでいた水槽があったことは、確かに「記憶」として残っています。

ジンベエザメのような繊細で希少な生き物を守るには、ただ展示を望むだけでなく、私たち一人ひとりの行動が大切です。

海洋ごみを減らすことや環境に配慮した選択をすることが、未来の水族館展示や野生個体の保護につながります。

またいつか、八景島であのゆったりと泳ぐ姿に出会える日が来ることを願って——。

今は、その軌跡をしっかりと記録に残し、海の命とつながるきっかけにしたいものです。

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