東京ドームシティの名物アトラクション「スカイフラワー」が、ついに2024年1月末をもって営業終了しました。
1979年の開業から40年以上、パラシュート型のゴンドラが空にふわりと浮かぶ姿は、多くの人々に親しまれてきました。
一方で、スカイフラワーには「怖い」「揺れて不安定」といった声もあり、独特の浮遊感にドキドキしながら乗った思い出がある方も多いのではないでしょうか。
本記事では、スカイフラワーが営業終了に至った休止理由とその背景を解説するとともに、なぜ「怖い」と感じられていたのか、当時の体験談やスペック情報も交えて振り返ってみたいと思います。
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スカイフラワーとは?
東京ドームシティのシンボル的存在
東京ドームシティ アトラクションズの中でも、ひときわ目を引く高さ61メートルのタワー型アトラクション。
それが「スカイフラワー」です。
パラシュート型のゴンドラが、塔の上部からゆっくりと上下運動を繰り返す構造で、まるで空に浮かぶクラゲのような外観から、多くの来場者に親しまれてきました。
「なんとなく見覚えがある」という方も多いのではないでしょうか。
というのも、後楽園ゆうえんち時代から続く長寿アトラクションであり、東京ドームシティのランドマークとして、都心の風景の一部になっていた存在です。
1979年から続いた“空飛ぶクラゲ”の歴史
スカイフラワーの開業は1979年7月1日。
当時としては非常に斬新な乗り物で、地上60メートル超から都心の景色を一望できる展望型アトラクションとして話題を呼びました。
乗り物としての所要時間は約1分半。
ゆっくりと上昇し、ふわっとした浮遊感とともに地上へ戻る動作を2回繰り返します。
シンプルながら「高所に立ち乗りする」という体験が斬新で、家族連れからデート中のカップルまで、幅広い世代に愛されてきました。
スカイフラワーが休止・終了した理由とは?

2022年12月に休止、そのまま営業再開せず
スカイフラワーは、2022年12月をもって一時営業を休止しました。
当初は点検整備のための一時的な措置とも見られていましたが、2023年以降も再開のアナウンスはなく、訪れた人々からは「もう動いていないの?」「いつ再開するの?」という声が相次ぎました。
そして2024年1月31日、ついに正式に営業終了が発表されることになります。
これは東京ドームシティの中でも、歴史あるアトラクションの節目として大きな話題となりました。
老朽化と部品の入手困難が決定打に
営業終了の背景には、アトラクション本体の老朽化があります。
スカイフラワーは1979年の開業から40年以上にわたり稼働してきたため、構造部品や制御機器の劣化が進んでいたことは想像に難くありません。
特に問題となったのは、交換用部品の入手困難。
独自設計の装置が多く使われていたため、代替品が手に入らない状態が続き、安全な運行に必要なメンテナンスが困難になっていたのです。
安全基準を満たす整備が不可能に
東京ドームシティでは、営業再開に向けた検討も続けられていたものの、最終的に「安全基準を満たす整備が不可能」と判断。来場者の安全を最優先に考え、やむなく営業終了を決定しました。
なお、スカイフラワーの塔体そのものはシンボルとして残される予定です。
動かなくなった今でも、その独特のフォルムは東京ドームシティの風景を形作る一部として存在し続けます。
スカイフラワーはなぜ「怖い」と言われていたのか?

立ち乗り&柵だけのゴンドラという開放感
スカイフラワーが「怖い」と感じられていた最大の理由は、その開放感の強さにあります。
ゴンドラには壁がなく、立ち乗りスタイルで乗車するため、身体を支えるのは腰の位置にある柵だけ。
風をダイレクトに感じながら、地上60m超の高さまで上昇する体験は、遊園地慣れした人でも思わず足がすくむほどの緊張感があります。
床も一部が透けて見える構造だったため、「足元から空が見える」というスリルを感じた方も多いでしょう。
ふわっと落ちる浮遊感と高さ61mのスリル
スカイフラワーの動きは上下運動のみですが、ただの「上がって下がる」ではありません。
とくに下降時にはふわりと落ちる浮遊感が発生し、ジェットコースターのようなG(重力)の変化を感じる瞬間があります。
この「ふわっ」という感覚が苦手な方にとっては、むしろジェットコースターよりも怖く感じられたことも。
しかも、動きは1回ではなく2往復するため、最初のスリルを乗り越えたと思った瞬間にもう一度来る……という構成も、心臓に悪いと評されるポイントでした。
風の影響で揺れることもあった?
もうひとつ、乗車時の風による揺れも不安を感じさせる要因でした。
スカイフラワーは塔体を中心にして各ゴンドラが吊り下げられている構造のため、風が強い日はゴンドラが左右に揺れることも。
もちろん安全基準の範囲内ではありましたが、物理的に揺れる高所という条件は、怖がりな人にとっては一層の恐怖体験となっていました。
懐かしむ声と「スカイフラワー」への想い
SNSでの別れの声やエピソード紹介
スカイフラワーの営業終了が発表されて以降、SNS上では「子どもの頃に乗って泣いた思い出がある」「デートで初めて手をつないだのがスカイフラワーだった」といった懐かしむ声が多数投稿されました。
「怖かったけど、終わると知ってもう一度乗りたくなった」「景色がきれいで、ちょっとした非日常を味わえた」など、単なるアトラクション以上の思い出を残していたことがうかがえます。
特に、東京育ちの人や後楽園ゆうえんち時代から通っていたファンにとっては、“昭和から続く象徴的存在”として特別な感情があるようです。
塔体は今後も残る予定
営業自体は終了したものの、スカイフラワーの塔体は撤去されず、今後も東京ドームシティ内に残される予定です。
動かないとはいえ、あのクラゲのような特徴的な姿は今後も園内の風景の一部として存在し続けます。
今後訪れる人々にとっては、「あれが昔動いていたんだよ」「上まで行けたんだよ」と語り継がれる、レトロなランドマークとしての役割を担っていくことでしょう。
【まとめ】スカイフラワー休止の理由と“怖さ”を振り返る
東京ドームシティの名物アトラクション「スカイフラワー」は、老朽化と部品の調達困難によって2024年1月末で正式に営業終了となりました。
1979年の開業から40年以上、多くの人々の思い出の中に存在し続けてきた存在だけに、その別れはとても寂しいものです。
スカイフラワーが「怖い」と言われた理由も、決してネガティブなものではなく、高さ・開放感・浮遊感といった非日常の体験によるものでした。
立ち乗りで空中を漂う体験は、他ではなかなか味わえない唯一無二のアトラクションだったと言えるでしょう。
塔体は今後も東京ドームシティに残るとのことで、訪れるたびにその姿を見上げれば、当時のドキドキや景色、誰かと過ごしたひとときを思い出す人もきっと多いはずです。
スカイフラワー、長い間お疲れさまでした。