伊勢神宮では川で手を洗うって本当?五十鈴川にまつわる話

五十鈴川(いすずがわ)をご存じでしょうか。

かの有名なパワースポット「伊勢神宮」のそばを流れる川です。

伊勢市南部の神路山から伊勢湾につながる一級河川で、かつて伊勢神宮を建立した「倭姫(やまとひめ)」が裾をすすいだ伝説があります。

別名「御裳濯川(みもすそかわ)」と呼ばれます。

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伊勢神宮だけの参拝作法

神道において、神社は神を崇めるための場所であり、常に清浄を保とうとする考えがあります。

神社の入り口の手水舎(ちょうずや)は、参拝者が身を清めるための場所です。

たいてい屋根の下に、水をはった桶または石櫃とひしゃくがあります。

伊勢神宮の内宮に手水舎はなく、事前に五十鈴川で手を洗う作法があります。

伊勢神宮の川で手を洗う場所の名前

御手洗場(みたらしば)は、伊勢神宮の内宮へ行く途中、一の鳥居をくぐった向こう側にある、手水舎の役割をする場所です。

参拝者が寄りやすいよう、川べりに大きな玉石の石畳がしきつめられた階段があります。

これは犬将軍ともよばれた徳川綱吉の母、桂昌院(けいしょういん)による寄贈です。

五十鈴川とスピリチュアル効果

自衛隊の護衛艦「いすず」、過去の日本軍艦の「五十鈴」やトラックの「いすゞ自動車」はすべて五十鈴川が由来です。

スピリチュアルの世界では、聖域と俗世を分ける五十鈴川の水には「強い浄化作用」があり、「清らかな気の流れ」を授かれると考えられています。

水質と縁起の関係

五十鈴川周辺の水質検査を行うとBODが0.6となり、微生物含有量の観点では清流であるといえます。しかしながら大腸菌群が少々検出されているため、飲料向きではありません。

※平成17年度(2005)三重県環境白書より
参拝の際は、容器に水を入れて神棚に供えるなどをおすすめします。

また、五十鈴川の水は家内安全、無病息災、脚気によいともいわれています。

既知の事実として、脚気はビタミンB1の欠乏が原因によっておこる疾病です。

神経が冒され、足元おぼつかなくなり、最悪の場合は心不全で死に至ることもあります。

ビタミンB1は白米に含まれないため、かつての軍隊で全滅が起きたこともあります。

水中にビタミンB1が含まれていることは、上流に植生する植物由来の養分が溶け込んでいる可能性があります。

かつては清流であったことや脚気に悩まされた過去を考えると、家内安全、無病息災のご利益があることも頷けますね。

宇治橋のひみつ

五十鈴川にかかる宇治橋は内宮の入口につながっている木製の橋です。

宇治橋は「俗世と聖域の境目」にある川と認識されています。かつて橋のなかった時代は川に入り、足を濡らしながら内宮へ渡り参拝を行いました。

やがて橋が架けられ、必要が出た際に都度修繕されてきました。

明治後半からは、20年に1度の式年遷宮に合わせて架け直されています。

〇みたらし団子
伊勢神宮とは直接関連しませんが、「みたらし団子」という名前はこの手水舎のかわりの「御手洗場」が由来とされています。

発祥は、京都の下鴨神社です。96代目の後醍醐天皇が神社内の御手洗池(みたらしいけ)で水をすくったときの4つの泡をイメージしてつくられました。

下鴨神社には川で手を洗うスタイルはなくとも、かつては「池で手を洗う」スタイルがあったことをうかがい知れます。

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伊勢神宮の川で手を洗うとはどこのこと?【まとめ】

神道は「聖域を清める」という考えがあり、神社へ参拝の前には体を清めることがしきたりとして残っています。

あまり小さな神社でなければ、大抵どこでも入口はいってすぐのところに「手水舎(ちょうずや)」を見かけることでしょう。

伊勢神宮は日本の神社の総氏神ともいわれ、日本中で祀られているどの神様よりも最強のパワーを持っています。

しかしながら伊勢神宮には手水舎がありません。

代わりに、内宮の入口を抜けてすぐの「五十鈴川」のほとりにある「御手洗場(みたらしば)」にて川で手を洗うスタイルのお清めを行います。

建立者である倭姫が汚れた裾を洗濯した伝説がある川であるため、縁起やご利益の観点で人気のスタイルです。

スピリチュアルや水質の観点から見ると清流といえるレベルであり、「強い浄化の作用」があるといわれます。

ただし、大腸菌群が微量に含まれるため、飲用や口に含むことはおすすめしません。

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