東大寺の大仏殿には、「柱の穴をくぐると願いが叶う」と言われる名物があります。
その穴のサイズは、大仏の鼻の穴と同じとされ、修学旅行や観光で訪れた人たちの間で「くぐれるかどうか」が話題になるスポットです。
しかし実際に挑戦してみると「思ったより狭い!」「途中で抜けなくなった!」という人も多く、場合によってはスタッフが救出に駆けつけることもあるほど。
では、なぜ柱の穴をうまく抜けられない人がいるのでしょうか?
この記事では、東大寺の柱くぐりの由来やご利益、なぜ抜けなくなるのか、そしてスムーズにくぐるためのコツまで、実体験や注意点も交えて詳しく解説します。
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東大寺の柱の穴くぐりとは?

東大寺の大仏殿に入ると、ひときわ目を引く大きな木の柱。
その柱の根元には、縦長の穴が空いています。
実はこの穴、単なる飾りではありません。
くぐることができるのです。
この「柱の穴くぐり」は、柱の穴の大きさが大仏の鼻の穴と同じだとされており、観光客の間でとても人気があります。
特に修学旅行の定番として知られており、「くぐれたら願いが叶う」といったジンクスもあるため、子どもから大人まで多くの人が挑戦します。
穴が空いている柱は、大仏殿の柱のうち1本で、東北の位置にあるもの。
これは鬼門を意味する方角であり、柱に穴を開けることで邪気を払うという意味が込められています。
観光のひとつとして体験できるユニークな文化であり、東大寺ならではの「体験型パワースポット」と言えるでしょう。
東大寺の穴くぐりで抜けなくなったのはなぜ?

東大寺の柱の穴くぐりに挑戦した人の多くが、「思ったより狭い」「途中でつかえた」と驚きます。
一体なぜ、抜けられない人がいるのでしょうか?
体格
柱の穴は、縦約37cm、横約30cmという大きさ。
これは子どもが通るには十分ですが、成人の場合は体格によってはかなりギリギリです。
特に肩幅が広い人、胸板やお腹まわりが大きい人、腰回りにボリュームのある人は要注意。
中に入れても、途中で引っかかって抜けなくなることがあります。
実際、SNSなどでは「本当に抜けなくなってスタッフに助けてもらった」「前の人が詰まってて待たされた」などの声も見られ、冗談では済まされないケースも報告されています。
体の柔軟性
なお、体格だけでなく、体の柔軟性も柱くぐりに大きく関係しています。
肩や腰を柔らかく動かせる人は、狭い穴の中でも体勢を調整しやすく、スムーズに通り抜けることができます。
一方で、体が固い人は腕をバンザイの姿勢に保ったまま体をひねるのが難しく、抜けにくくなるケースもあるのです。
特に普段からストレッチやヨガを行っている人は、関節の可動域が広いため、こうした狭い場所でも柔軟に対応できる傾向があります。
くぐる前に軽く体をほぐしておくのも、成功率アップの秘訣かもしれません。
服装
服装にも注意が必要です。
分厚いパーカーやコート、リュックを背負ったままではさらにスペースが狭くなり、通りにくくなります。
「なんとなく通れそう」と思っても、一度自分の体格を冷静に見直してから判断することが大切です。
無理にくぐろうとして抜けなくなったら、周囲の視線が一気に集まり、かなり気まずい思いをすることになるかもしれません。
東大寺の柱くぐりのコツと正しいやり方

東大寺の柱の穴をスムーズにくぐり抜けるには、ちょっとしたコツがあります。
体を無理にねじったり、無茶な動きをする必要はありませんが、姿勢や入り方を工夫するだけで抜けやすくなります。
- 服装はできるだけ身軽に
厚手の上着やリュックは脱ぎ、ポケットの中もスッキリさせましょう。スカートよりもパンツスタイルが動きやすくおすすめです。 - 両手をまっすぐ上げてバンザイの姿勢に
腕を体の横に下ろしたままだと引っかかりやすくなります。穴に入る前に、両手を真上に伸ばして体を縦に長くするよう意識しましょう。 - 体を斜めにして斜め方向から侵入
正面から真っすぐ入ろうとすると詰まりやすくなります。肩を少し斜めにして、体をひねるように穴に対して斜めの角度で入るとスムーズです。 - ゆっくりと床を蹴って押し進む
穴の中はツルツルして滑りやすいため、少しずつ床を蹴りながら前に進みましょう。焦らず落ち着いて動くことがポイントです。 - 出口側に手を出して柱をつかみ、体を引っ張る
腕が出口に届いたら、柱の縁をつかんで体を引き出すように押し出します。ここで半分以上出ていれば、もう少しです!
記念写真を撮りたい場合の裏技
「完全にくぐるのは不安…」という人は、足から入って半分だけ中に入った状態で写真を撮るという方法もあります。
この姿だけでも十分SNS映えしますし、実際にくぐらずとも“柱くぐり体験”として満足できるはずです。
東大寺の柱の穴に込められた意味とご利益

東大寺の大仏殿にある柱の穴は、ただの遊び心で掘られたものではありません。
実はこの穴には、古くから伝わる意味や祈りが込められているのです。
柱の穴がある場所は、大仏殿の東北方向。
これは「鬼門」と呼ばれ、古来より邪気が入るとされる方角です。
その鬼門に穴をあけることで、邪気の通り道をつくり、悪いものを逃がす=結界を張るという意味合いがあると伝えられています。
また、柱の穴をくぐることで得られるとされるご利益にもさまざまな説があります。
- 無病息災(病気にならない)
- 厄除け(災難を避ける)
- 学業成就や頭がよくなる
- 願いごとが叶う

中でも「頭がよくなる」という説は、大仏の鼻の穴と同じ大きさ=頭を通すと知恵がつくという発想に由来していると言われています。
修学旅行生に人気があるのも、このご利益を期待してのことかもしれません。
柱の穴くぐりは、単なる観光体験というだけでなく、信仰と祈りが息づく東大寺らしい文化体験でもあるのです。
まとめ|無理せず楽しもう!柱くぐりの注意点
東大寺の柱の穴くぐりは、体験型アクティビティとして非常に人気がありますが、体格や姿勢によっては抜けなくなる可能性もあるため注意が必要です。
くぐる際には以下の点を意識して、安全に楽しみましょう。
- 体格に自信がない場合は無理をしない
- 服装や荷物を軽くして挑戦する
- バンザイの姿勢+斜めから侵入がコツ
- どうしても不安なら半分だけ入って記念撮影でもOK
穴は鬼門を封じる意味があり、くぐることで無病息災や厄除けのご利益があると伝えられています。
単なる“通り抜けゲーム”ではなく、歴史や信仰が込められた特別な体験であることを、心に留めておきたいですね。
くぐれる状況かどうかは、事前に確認するのがベストです。
再開されていれば、無理せず挑戦して、旅の良い思い出にしてください。