都内有数のランドマーク、東京スカイツリーは高さ634mの鉄塔です。
2023年現在で、現存の電波塔として世界一を誇る高さです。
日本では建築物の中でも断トツの日本一ですが、世界にはスカイツリーが圧倒的に抜かれるくらいの建築物はあるのでしょうか。今回は東京スカイツリーの概要やその他日本や世界の高い建物について説明します。
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東京スカイツリー建設の経緯
東京スカイツリー竣工以前までは東京タワー(高さ:333m)が関東都心部のテレビ電波塔の役割をすべて担っていました。しかしながら、戦後復興や高度経済成長期などを経て都市が発展するとともに、周囲に「超高層建築物」と法的に分類されるような建物が密集し、陰になる部分で電波が届きにくくなる問題がありました。
また、地上デジタル放送や携帯電話向けのワンセグ放送など最新技術へ最適化のための環境整備の必要性が浮上します。
これらの問題を解決するため、2000年頃から600m級の新しい電波塔を求める構想が発案され、2003年には「在京6社新タワー推進プロジェクト」が発足しました。
2000年代ではまさに「世界一の高さを誇る建造物」建設の一大プロジェクトです。
スカイツリーの建設地と建設期間について
2007年に生コンクリートを製造していた「東京エスオーシー業平橋工場」跡地である現在の所在地に建設が決定し、2008年7月14日に着工後、2012年2月29日に竣工しました。
したがって、建設期間は約3年半です。東京タワーが1年半に対して、高さがあることや、構造の複雑さを加味するとかなり短縮されている期間ではないでしょうか。
スカイツリーの高さと階数について
電波塔の具体的な高さは建設途中の2009年に決定しました。建設地周辺の旧国名「武蔵(むさし)」の語呂にちなんで634mです。
階数は地下1階/地上29階/塔屋4階の計34フロアで構成されています。ただし、塔屋部分や商業フロアとオフィスフロアでは1階あたりの高さは異なります。また、商業フロア・オフィスフロアともに一般的なマンションよりも高めの4.2~5mです。
日本の一般的なマンションは1階あたりの高さが3mですので、最上部まで含めたすべての階が3mであるならば、211階建ての建物に相当します。
日本の高い建築物ベスト3
1位 東京スカイツリー(東京都墨田区)
地上634m。東京タワーに変わる電波塔として2012年(平成24年)に竣工した。
2位 東京タワー(東京都港区)
地上333m。テレビやラジオ配信のための電波塔として、1958年(昭和33年)に竣工した。現在は東京スカイツリーが使用不能になった際の予備電波塔として機能している。
なお、階層は15フロアで構成される。マンションであれば111階建て相当。
3位 あべのハルカス(大阪府大阪市阿倍野区)
地上300m。地下5階/地上60階の超高層ビル。
商業施設・展望台・ホテル・美術館がテナント使用している。2014年(平成26年)に竣工した。完成までは約4年かかった。名前の由来は阿倍野(所在地)+晴るかす(晴れ晴れされるという意の平安時代の古語)で、超高層ビルでは日本一の高さを誇る。
世界の高い建築物ベスト3
1位 Burj Khalifa(ブルジュ・ハリファ:アラブ首長国連邦・ドバイ)
地上828m、206階。世界のどの建築物も余裕で抜かれる圧倒的な高さを誇る。電波塔としての機能も持つが、居住区域やホテル・レストランとしても利用する複合施設としての役割を担うために建設された。2009年竣工。イスラム最高権威の称号である「カリフ」の塔という意味をもつ。建設期間約6年。
2位 Merdeka118(ムルデカ118:マレーシア・クアラルンプール)
地上678.9mの超高層ビル。2023年1月30日にオープンの118階建ての複合施設。85階分のオフィス・商業施設・ホテル・展望台をもつ。マレーシア旅行の新名所となることは間違いないだろう。ムルデカには「独立」という意味がある。建設期間は約5年。
3位 東京スカイツリー
世界第3位の建築物にランクイン。建設中と建設後にそれぞれ2度も世界に抜かれる数奇な運命をたどる。
東京スカイツリーの高さ世界一が抜かれる? 詳しく解説します!【まとめ】
以上の結果から、日本には高さ300mをはるかに超える超高層ビルは存在しないことが判明しました。今後何か話題性のあるランドマークタワーを建設する際は、参考にするといいのかもしれません。
また、海外の新しいランドマークにさらに抜かれるスカイツリーは世界で第3位の建築物となりました。しかし「鉄塔」というジャンルで見ると世界一であること、高さや製作期間を鑑みると、かなり高い建築技術で作られた代物であることが垣間見えます。また、階数で換算すると、日本のマンションは1階あたりの高さが低いこともうかがえます。
英語版の資料では、未だに3位以内にカウントしてもらえていないものもありますので、ぜひ日本が世界に誇る「世界一の鉄塔」として発信していきたいものです。
また、高さが抜かれる・抜かれないにかかわらず「粋」を感じる建築作品として、地域を代表するランドマークとしても大切にしていきたい財産です。東京スカイツリー周辺地域がこれからもますます変貌を遂げることが楽しみですね。