法隆寺の救世観音公開はいつからいつまで?混雑するのか?
法隆寺には数多くの仏像がありますが、特に救世観音は秘仏として普段は見ることができない仏像です。
しかし、法隆寺の救世観音は長い歴史のなかで何百年もの間、人々の前に姿をあらわすこともなかった謎めいた観音様であったことをご存じでしょうか?
法隆寺の仏像は、国宝に指定されているものが多く、アジアを中心とした諸外国の文化も取り入れられた特徴を持つ独特の仏像であることで有名です。
観音様は、すべての人々の苦悩を受け入れ救ってくださるという信仰のもと、人々にとってありがたい存在とされてきました。
今回は、法隆寺の救世観音について詳しく解説していきます。
普段は見ることができない、レアな救世観音はどんな仏像なのでしょうか?
Contents
法隆寺の救世観音はどんな仏像なの?
※法隆寺の救世観音の名前は?
救世観音は「くぜかんのん」「くせかんのん」ともよばれ、多くは「くぜかんのん」と呼ばれるほうが多いかも知れません。
皆さんはどちらの名前が呼びやすいですか?
※法隆寺の救世観音はどんな造りはどうなっているの?高さはどれくらい?
救世観音の造立方法は、一本造りで漆箔(しっぱく)造りです。
ちなみに、漆箔とは接着させる技法で、金箔を施すときに漆を下地に塗り、その上にさらに漆を塗って金箔を張るということです。
材質はクスノ木で、像高は178.8cmあります。
法隆寺の救世観音は聖徳太子の等身大とされ、聖徳太子は身長が180cmもあったそうです。
飛鳥時代の成人男性の平均身長は160cm前後だったとか。
現在は身長が2m越えの人もいますが、当時の飛鳥時代にしてみると「かなり大きい、いやデカい、メガ身長」と言えるでしょう。
※法隆寺の救世観音は完全秘仏の国宝?
739年につくられたとされる法隆寺の救世観音は、完全秘仏とされていたようで誰も見たことのない、謎の観音像とされてきました。
しかし、救世観音に大きな転機が訪れます。
明治時代(1884年)に、フェノロサが完全秘仏であった救世観音の御開帳を迫りますが、法隆寺の僧侶たちに「お願い‼開けさせてください‼」と懇願します。
しかし、法隆寺の僧侶たちは簡単には許すことはできません。
救世観音がつくられて以来、約700年ものあいだ誰も開けたことのないお逗子を、開けるなんてとんでもない事だった事でしょう。
しかし、フェノロサは諦めず、法隆寺の僧侶たちをどう口説いたのか?
説得に説得を重ね、法隆寺の救世観音はついに‼ついに‼御開帳となるのです。
フェノロサさん、やるね‼あなたが居なければ今でも秘仏のまま、誰も見ることはなかったかも知れません。
御開帳のときは、歴史の扉が開かれた一瞬だったのですね。
法隆寺の僧侶でさえも見たことがなかった救世観音のお逗子を開けたとき、布や和紙でグルグル巻きにされていたそうで、そのお陰で救世観音の保存状態はとても良く、その布の長さは、その布の長さは約450mもあったそうです。
どんだけ〜‼ミイラやん!といった様子ですね。
救世観音をお逗子に納めた当時の人たちは、とても貴重かつ高価なものとして扱っていたのでしょうか?
次に開かれるのが、700年後と知らずに…だったのでしょうか?
やはり、秘仏だけあって謎も多いですね。
そして、1951年(昭和26年)6月9日に国宝に指定されました。
法隆寺の救世観音は見られるのか?公開はいつからいつまで?
完全秘仏とされてきた法隆寺の救世観音は、フェノロサにより明らかにされましたが、普段は見ることができません。
しかし、法隆寺の救世観音公開は春と秋の2回期間限定で公開されます。
時間 午前8時〜午後5時
料金 中学生以上1500円・小学生750円
春の特別開扉となります。
期間 午前8時〜午後5時(日にちにより午後4時30分まで)
料金 中学生以上1500円・小学生750円
秋の特別開扉となります。
法隆寺の救世観公開のときの混雑予想は?
普段見ることができないので、やはりどんなものか見てみたい‼と思いますよね。
やはりその期間を狙って法隆寺の救世観音を一目ようと訪れる人は多いのではないでしょうか?
また、10月~11月は修学旅行などのシーズンともいえますので、大勢の人に遭遇することになるかもしれません。
法隆寺での修学旅行は、団体で行動するケースも多いので、特別開扉のときにバッティングした場合はかなりの混雑ぶりになるかも知れません。
また、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことから、本来の賑わいや観光客の数も徐々に戻ってくると予想されます。
特に外国人観光客も更に増えるなど、救世観音の公開を狙って訪れる人もあるかもしれません。
法隆寺の救世観音公開を楽しみにしていたのに、人ごみを見に行ったなどということがないように、時間など早めに行くなど工夫されてみてはいかがでしょうか?
法隆寺の救世観音は怖いの?
「世の苦しみからあらゆる民衆を救済する」という救世観音に、本当は怖い観音様だという容疑がかけられていたことを皆さんはご存じでしたか?
実は…
法隆寺の救世観音は、聖徳太子の呪いがかけられているとか、救世観音の頭には釘が打たれているとか、怖い噂があるのです。
このような怖い話になったのは、梅原猛氏が書き下ろした「隠された十字架」という本が発刊され、古代史にユニークな着想で切り込まれた衝撃的な内容で法隆寺マニアを虜にした本なのです。
このような内容から「救世観音は怖い説」がうまれたのではないかと想定されます。
法隆寺の救世観音が怖いのか?そうでないのか?真実はただ一つ!
実際に見に行きましょう‼
目で感じて、心でどう感じたか?
それがあなたの答えになるかも知れません。
お寺や神社には、必ずと言っていいほど「祟り」や「呪い」などの伝説があげられます。
世界で最も古い木造建造物ならば、いろいろな伝説が浮上してもおかしくないかもしれません。
法隆寺の救世観音の公開【まとめ】
長年、完全秘仏とされてきた法隆寺の救世観音は、明治時代にフェノロサによってついに開扉されました。
その後、法隆寺の救世観音は春と秋に特別開扉されます。
修学旅行のシーズンや、これからも外国人観光客が増えることなどが予想されますので、救世観音公開のときは混雑も想定してお出かけください。
しかし、よ~く考えると、法隆寺の救世観音が700年間も誰も見たことがなかったのはやはり聖徳太子の呪いがかかっていると信じられてきたから?
皆さんはどのように思われますか?
最後までお付き合いいただきありがとうございました。