奈良県のお寺といえば、どんなお寺が思い浮かびますか?
東大寺、興福寺、薬師寺、唐招提寺などがすぐにひらめいた人もあると思います。
なかでも、奈良のお寺で一番歴史があり、1993年には世界文化遺産に登録された法隆寺ですが、歴史の教科書などでもすでにおなじみですね。
法隆寺は、飛鳥時代に聖徳太子と推古天皇により建てられましたが、世界で最も古い木造建造物としても有名で、歴史の深さを感じることができるお寺のひとつではないでしょうか?
今回は、法隆寺の見どころや豆知識を簡単に解説します。
修学旅行などで訪れたことがある人はもちろんですが、法隆寺に足を運んだことがない人も必見です。
どうぞ、最後までお付き合いください。
Contents
法隆寺の見どころは?
※中門
法隆寺でまず初めにくぐる門が南大門ですが、更に進むと中門があり国宝に指定されています。
門の両脇には金剛力士像が建ち、「あ形」「ん形」の口で物事のはじめと終わりを意味しているといわれています。
中門の金剛力士像は、土で作られた最も古い像ですが、「ん形」の金剛力士立像は頭部や体の崩れがひどく、現在は木製の造像に作りかえられたということです。
なんだか怖いお顔のようにも見えますが、しっかりと身を引き締めて法隆寺にお参りくださいね。
※金堂
法隆寺の西側にある建物を西院伽藍といい、広い敷地の中に金堂や五重塔が立ち並び、見どころも満載です。
金堂の中には、釈迦三尊像が安置されています。
釈迦三尊像は、聖徳太子の等身大のお姿として作られており、脇侍には文殊菩薩と普賢菩薩が並び、穏やかでやさしい微笑みが特徴です。
この微笑みは、アルカイックスマイルとよばれ、飛鳥時代を代表する仏像でシンメトリー(左右対称)につくられているのも特徴のひとつとなります。
釈迦三尊像の光背の裏側には、鞍作止利(くらつくりのとり)が亡き聖徳太子を弔うために像をつくったことなどが記されているそうです。
また金堂の外側、建物の部分にも飛鳥様式の建築の特徴が見られ、当時の歴史を感じることができる見どころです。
まず、雲斗(くもと)雲形肘木(くもがたひじき)という雲のような形をした細工が施され独特の様式が見られます。
また、卍崩しの紋様や人形の高欄も飛鳥時代の建築様式の代表ですのでお見逃しなく‼
※五重塔
法隆寺のシンボルタワー五重塔の高さは約33mあり、世界最古の五重塔として有名です。
五重塔の見どころは何といっても内部構造でしょう。
残念ながら中に入ることはできませんが、心柱一本で五重塔を支えているのです。
法隆寺の五重塔は、一層ごとに独立しており積み上げた構造様式になっているそうです。
一層ごとに積み上げることで、大きな揺れが起きても各層が揺れ合い振動を吸収するので、大地震が襲ってきても、耐震強度は抜群ということがうかがえますね。
古代に災害や地震対策にも対応した建築が考えられた技術者たちが、すでに存在していたのですね。
そして、もう一つの見どころは五重塔の五輪塔です。
よ~く見てみると、7本余りの鎌(草を刈るときの道具)が五輪塔に刺さっっています。
うわ?!なんだか不気味?またなぜ鎌なの?と思われたかと思いますが、これは雷避けに付けられたとか、聖徳太子の怨霊を鎮めるために付けられたとか、さまざまな言い伝えがありますが、真相はいかに?
法隆寺の五重塔は世界最古といわれていますが、残念ながら700年頃に再建されています。
しかし、昭和の大修理にて心柱の年輪を測定した結果594年に伐採されたヒノキであることが判明しました。
ちなみに、法隆寺が創建された年は、推定605年~607年とされていますので、五重塔がつくられる少し前に伐採されたことが理解できます。
重機など何ひとつない時代にどうやって心柱を伐ったり、建てたりできたのか?
スゴイという言葉しかありません。
※夢殿
夢殿は法隆寺の東側にあり、東院伽藍とよばれ、その他にも絵殿、舎利殿などの建物があります。
特に東院伽藍で見どころなのは夢殿で、聖徳太子の想いを具現化した建物であるとか、聖徳太子を供養するために建てられたなど説はさまざまですが、聖徳太子との関わりはとても深いものがあります。
また、聖徳太子の等身大ともいわれる救世観音像が安置されています。
夢殿の屋根の一番上にある宝珠(玉の土台)がありますが、仏舎利を収める入れ物をあらわしており、仏舎利とはお釈迦様の遺骨のことです。
法隆寺の豆知識‼〇〇〇は夢殿がモデルとなっていた!
法隆寺の夢殿は、八角形が特徴ですね。
実は夢殿がモデルとなっているある建物があるのですが、何だと思いますか?
それは「日本武道館」です。
新しい柔道会場をつくる計画として、なにかいいアイデアはないか?と思いついたのが、法隆寺の夢殿だったそうです。
そういえば、武道館の建物は八角形ですね。
柔道は国技だけに、日本武道館建設には最も古い日本の歴史になぞらえた、法隆寺の夢殿がモデルになっていたことは、まだ知らない人もいらっしゃるかも知れませんね。
法隆寺の魅力とは?
法隆寺について簡単に魅力をお伝えするならば、歴史の深さです。
世界最古の木造建造物は、今日に至るまで立派に姿を残し、多くの人々に見守られ語り継がれて来ました。
聖徳太子ゆかりのお寺として、多くの謎と伝説も残るお寺ですが、これから先の時代も創建当時の姿を残したまま、素晴らしい法隆寺であってほしいものですね。
法隆寺の見どころと豆知識【まとめ】
法隆寺の見どころは、西院伽藍の金堂や五重塔などがあり、建物の内部や外観も飛鳥様式の建築やその時代の歴史をより感じることができるのではないでしょうか
同じく東院伽藍は夢殿が見どころで、聖徳太子の等身大とされる救世観音同が安置されています。
法隆寺は通り過ぎるように見ていくのではなく、飛鳥時代からの建物であり世界最古の木造建造物として、歴史を沢山感じながら見てまわると、とても素晴らしい見どころが新たに発見できるかも知れません。
かつての斑鳩宮で聖徳太子が過ごした地で、法隆寺の魅力を存分にお楽しみくださいね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。