平川動物園(鹿児島市)は、全国に7か所しかないコアラを飼育する動物園のひとつですが、その中でも特に注目されているのが「日本一の飼育数」と「国内初のウォークスルー展示方式」です。
この記事では、「平川動物園のコアラは何匹いるの?」「コアラって抱っこできるの?」といった疑問に答えながら、動物園の特徴や見どころを最新情報を交えてご紹介します。
観覧前に知っておくと役立つポイントをぎゅっとまとめてお届けします。
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平川動物園ってどんな場所?コアラで有名な理由とは

鹿児島県鹿児島市にある「平川動物公園」は、南国の自然に囲まれた広大な敷地を活かし、約100種以上の動物を飼育している地域密着型の動物園です。
その中でも、全国的に高い評価を受けているのが「コアラの飼育数と展示方法」です。
2025年3月時点で、平川動物園ではコアラ19頭(オス8頭、メス11頭)を飼育しており、日本国内で最多のコアラ飼育数を誇ります。
これは単なる展示にとどまらず、全国のコアラ飼育園館と連携した繁殖・保全の中心的な拠点となっているためです。
例えば2025年には、繁殖計画の一環として、オスの「ノゾム」が兵庫県の淡路ファームパークへ搬出され、代わりに名古屋の東山動植物園からオスの「ししお」が搬入されるなど、積極的な血統管理も行われています。
また、平川動物園では日本で初めての「ウォークスルー展示」が導入されており、ガラス越しではなく自然な環境の中でコアラを間近に観察できる展示方法が採用されています。
この取り組みも、他の動物園にはない大きな魅力のひとつです。
平川動物園のコアラは抱っこできる?

「かわいいコアラを抱っこしてみたい!」と思う方も多いですが、平川動物園ではコアラの抱っこ体験はできません。
理由は大きく分けて以下の3つです。
- 動物福祉の観点
コアラは非常に繊細でストレスに弱い動物です。
無理に抱っこをさせることで、健康に悪影響を与える可能性があります。 - 安全面への配慮
コアラは見た目に反して鋭い爪を持っており、しがみつくときに人にケガをさせることもあります。
来園者の安全を守るため、直接の接触は避ける運営が一般的です。 - 感染症などの衛生リスク
人間と動物の接触によって病気が伝染するリスクがあるため、国や園ごとのガイドラインでも接触を制限しています。
なお、かつてはオーストラリアなど一部の国で条件付きの抱っこ体験が提供されていた時期もありましたが、日本では一貫して「抱っこNG」が基本方針となっています。
コアラを抱っこできる動物園は日本にあるの?

「日本でコアラを抱っこできる場所はあるの?」と気になる方も多いでしょう。
結論としては、日本国内では、すべての動物園でコアラの抱っこ体験は実施されていません。
これは、動物愛護の観点や感染症対策、安全管理の面から、すべての施設でコアラとの直接接触が禁止されているためです。
2025年現在、国内でコアラを飼育している動物園は以下の7か所のみですが、いずれも抱っこはできません。
- 埼玉県こども動物自然公園(埼玉県東松山市)
- 多摩動物公園(東京都日野市)
- 横浜市立金沢動物園(神奈川県横浜市)
- 名古屋市東山動植物園(愛知県名古屋市)
- 神戸市立王子動物園(兵庫県神戸市)
- 淡路ファームパーク イングランドの丘(兵庫県南あわじ市)
- 平川動物公園(鹿児島県鹿児島市)
なお、オーストラリアの一部地域(例:クイーンズランド州)では、厳格な条件下でコアラの抱っこが可能な場合がありますが、現地でも州によっては禁止されている地域もあります。
つまり、日本では「コアラの抱っこ」は旅行先のオーストラリアでのみ一部可能性がある体験であり、国内でそれを期待することはできないのが現状です。
平川動物園のコアラ展示の見どころ【ウォークスルー&観察時間】

平川動物園のコアラ展示は、日本国内で唯一のウォークスルー方式が導入されており、これが最大の見どころとなっています。
日本初の「ウォークスルー展示」とは?
通常の動物園では、ガラス越しにコアラを眺めるスタイルが一般的ですが、平川動物園ではコアラ館の中を来園者が歩いて通り抜けながら、ケージ越しではない自然な形でコアラを観察できます。
まるでユーカリの林の中を散策しているような雰囲気の中、樹上で眠るコアラや、ゆっくり動く姿を間近に見ることができます。
コアラが見やすい時間帯は?
コアラは夜行性または薄暮性の動物です。
つまり、昼間はほとんど寝て過ごしています。
とはいえ、展示スペースではタイミングによって食事や移動の様子が見られることもあります。
おすすめの観察時間帯
- 開園直後(10時頃まで):ユーカリの葉を食べている姿が見られることがあります。
- 午後遅め(15時以降):再び少しだけ活動する個体も。
展示スペースにはスタッフによる説明パネルやコアラのプロフィール紹介もあり、子どもから大人まで楽しめる工夫がされています。
平川動物園で飼育されているコアラたち【2025年最新版】

2025年3月時点で、平川動物園には19頭のコアラが飼育されています。
これは日本最多の飼育数であり、国内に7か所あるコアラ飼育園の中でもトップの規模を誇ります。
♀メス(11頭)
- ユメ(2015/1/2)
- リオ(2015/12/10)
- ヒマワリ(2019/6/22)
- キボウ(2019/10/17)
- インディコ(2019/12/22)
- ヒナタ(2021/3/27)
- カナエ(2021/6/13)
- ピース(2021/6/29)
- つくし(2022/9/3)
- ツムギ(2023/5/13)
- ヒマワリの仔(2024/6/1)
♂オス(8頭)
- ライト(2021/5/14)
- アーチャー(2019/4/26)
- タイヨウ(2022/8/11)
- アサヒ(2022/12/9)
- アラタ(2023/6/14)
- チャーボウ(2023/10/21)
- スター(2023/11/18)
- ししお(2022/4/4)←2025年3月に東山動植物園より搬入
また、2025年3月にはオスの「ノゾム」が兵庫県のイングランドの丘へ搬出され、代わりに「ししお」が名古屋市東山動植物園から搬入されました。
これは繁殖計画の一環として行われたもので、血統管理による健全な個体維持の取り組みが進められています。
平川動物園はこのように、単なる展示にとどまらず、国内のコアラ保全における中核的な役割を担っています。
平川動物園のコアラを楽しむためのQ&A

コアラ目当てで平川動物園を訪れる方に向けて、よくある疑問とその答えをまとめました。
観覧前の参考にしてみてください。
まとめ:コアラを見るなら平川動物園が日本一の理由
平川動物園は、コアラを「じっくり・たっぷり」楽しみたい人にとって、日本で最もおすすめできるスポットです。その理由は大きく分けて3つあります。
1つ目は、日本最多の飼育数(19頭)を誇る充実ぶり。
これだけ多くのコアラを一度に見られる動物園は他にありません。
2つ目は、国内で唯一のウォークスルー展示を採用しており、ガラス越しではない臨場感のある観察体験が可能なこと。
3つ目は、コアラの保全・繁殖拠点としての役割。
ただ「見る」だけでなく、命をつなぐ活動の舞台にもなっている点で、他園とは一線を画します。
残念ながら、日本では動物福祉や安全上の理由からコアラの抱っこはできません。
これは全国すべてのコアラ飼育園で共通です。しかし、間近でコアラのしぐさや表情を観察できる環境は、平川動物園ならではの魅力です。
コアラに会いたいなら、抱っこができなくても、日本一の“会える環境”が整った平川動物園をぜひ訪れてみてください。