知床のルシャ橋は撤去されてしまう?理由や現在の状況を解説!

世界遺産に登録された知床ではルシャ橋や治山ダムを撤去しなくてはいけないという問題があります。

なぜ、ルシャ橋やダムは撤去されなくてはならないのでしょうか?

この記事では、ルシャ橋が撤去されなくてはならない理由やルシャ橋を利用する人たちの状況や今後の課題を解説しますので、最後まで読み進めてください。

知床のルシャ橋が撤去される理由

国際自然保護連合(IUCN)は、知床のルシャ川にあるダムやルシャ橋によって壊れた川の改善を強く指導し、道路上の橋梁については、河川の自由な流れを復元するために撤去することが望ましいと考え、撤去することを求めました。

サケやマスの遡上や産卵に人工物のダムや橋が影響し、本来の自然の川の流れがなくなり、産卵に適さない河床になってしまうと考えられています。

日本政府は2015年の第39回世界遺産委員会決議を受け、サケ類の産卵環境の改善は漁業資源の維持にも有益であることを踏まえ、サケ類の移動及び産卵環境の改善と漁業活動や漁業関係者の安全の確保との両立を図る考えであるようです。

現在の取り組み

ルシャ川を横断する橋については林野庁及び北海道が知床世界自然遺産地域の森林の管理や巡視等のためや地元漁業者が漁業活動のために利用しています。

ルシャ川はオホーツク海の豊富な漁業資源に恵まれ、サケ・マス漁が盛んで、現在もルシャ川の奥に番屋が存在し、サケやマスの定置網漁のためにルシャ橋は漁師にとって不可欠なものとなっています。

ダムが環境に与える影響についても調査が進められていて、河川の勾配を緩和し急激な河床の変化を抑え、土砂の移動や渓畔林の維持されているので、ダムの防災機能は発揮されていて、さらに、一部切り下げによって、地上部で生じていた水面の落差が解消され、伏流水の復元も期待され、流路も自由度が増すことでサケ類の産卵環境に適した河川の改善が見込まれています。

ダムを撤去すると土砂の流出や流路の固定などの防災機能が無くなるので、下流に有る道路や橋などへの土砂流出等による被害の発生が懸念されているため、地域の漁師と連携しながらルシャ川のより良い管理に向けて、取り組みを継続していくことが確認されました。

ヒグマとヒトの共存

NHKで放送されたヒグマと老漁師〜世界遺産・知床を生きる〜の番組で、ヒグマとヒトの共存について放送されました。

この番組では、世界遺産に認定されるためには地域の住民たちの生活が不便になっても、観光地化のために、ユネスコのいうとおりに橋を撤去してしまうのか、今までのように人とヒグマが共存できるように橋を残すのかという

ヒグマの親父と呼ばれている大瀬初三郎さんたち漁師はそのヒグマと隣り合わせで暮らし、自然の中にクマがいて、その自然の中にヒトもいて、ヒトと動物が共存できる良さを知ることができることを伝えていました。

今、知床でも地球規模の気候変動の影響で海水温度の変化が激しくなり、サケ・マスの漁獲量が激減し、食糧不足となり、クマたちは飢えに苦しみ、エサを奪おうとして人を威嚇する行動を取り始めています。

世界自然遺産に登録されたことで、生活に使うための橋や道路の撤去を求められ、ルシャに人工的な道路や橋があることを認めない調査員と知床で生活する漁師たちの意見の食い違いがあるようです。

知床のルシャ橋は撤去が必要なの?【まとめ】

知床のルシャ橋が撤去される理由や現在の状況、ヒトとヒグマの共存について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

世界遺産として登録された知床は、自然を後世にそのまま残すという観点やサケやマスの産卵などに影響があることからルシャ橋などの人工物の撤去を求められています。

ルシャ橋の撤去は、知床が世界遺産であることを優先するのか、ヒトの生活やヒトとヒグマの共存を優先するのかを洗濯する大きな問題を生んでいるのかもしれません。

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