名古屋のシンボルと言えば、やはり名古屋城ですよね。
天守閣の上で輝く金のしゃちほこを見上げると、名古屋に来た実感が湧く人も多いのではないでしょうか。
しかし、現在その天守閣には入れない状況が続いています。
「いつまで入れないの?」「工事はどこまで進んでいるの?」と気になる方も多いでしょう。
この記事では、名古屋城天守閣の木造復元工事の最新情報や完成予定、入れない理由、そして天守閣に入れなくても楽しめる名古屋城の魅力まで詳しく解説していきます。
名古屋城の天守閣に入れない理由

名古屋城の天守閣は、名古屋市を象徴する歴史的建造物として有名です。
天守閣の最上階には金のしゃちほこが輝き、その姿を一目見ようと多くの人が訪れます。
しかし、現在は天守閣内部へ入ることができない状態が続いています。
理由は耐震性の問題です。
名古屋城の天守閣は、第二次世界大戦の空襲で焼失した後、1959年に鉄筋コンクリートで再建されました。
当時の再建から約60年以上が経過し、耐震診断の結果、大地震が発生した場合の安全性に問題があることがわかりました。
このため、2018年5月から天守閣への立ち入りが禁止され、現在も閉鎖が続いているのです。
木造復元工事はいつまで?完成予定とスケジュール

名古屋城天守閣の木造復元工事は、いつまで続くのでしょうか。
最新の発表では、2032年度の完成を目指しているとされています。
当初は2018年に工事を開始し、2022年12月に完成する予定でした。
しかし、石垣の調査不足やバリアフリー対応の議論が続き、計画は何度も見直されてきました。
現在のスケジュールでは、建設に必要な許可や予算手続きに約6年半を要する見込みで、実際の工事が始まるのは2028年頃と想定されています。
そして工事開始から4年程度で完成させる計画です。
ただし、石垣保護の問題やエレベーター設置の是非など、解決すべき課題は多く、2032年度の完成も確定ではありません。
訪問の際は最新情報をチェックしておきましょう。
工事が遅れている理由とは?

名古屋城天守閣の木造復元工事は、なぜこんなにも遅れているのでしょうか。
石垣の保存
その大きな理由のひとつが、石垣の保存問題です。
文化庁からは、歴史的価値の高い石垣を現状のまま保存するため、より詳細な調査と慎重な対応が必要だと指摘されています。
名古屋城の石垣は江戸時代から残る貴重なものであり、工事によって崩れたり傷ついたりすることがないよう、再調査や工法検討が繰り返されているのです。
バリアフリーの対応
さらに、工事の遅延にはバリアフリー対応問題も関わっています。
木造復元を忠実に行うと、内部には階段しか設置できず、車椅子利用者や高齢者が最上階まで登れなくなります。
そのため、エレベーター設置の必要性が議論され続けていますが、史実再現との兼ね合いで解決策は容易に見つかっていません。
これら複合的な問題が工事計画を何度も遅らせる要因となっています。
なぜ木造天守閣にこだわるのか?

名古屋城天守閣の復元工事では、あえて木造で建て直すことにこだわっています。
それはなぜなのでしょうか。
歴史的価値の再現
一つ目の理由は、歴史的価値の再現です。
現在の天守閣は鉄筋コンクリート製で、戦後1959年に再建されたものですが、元々の天守閣は木造建築でした。
当時の建築技術を現代に蘇らせることで、名古屋城本来の姿を取り戻し、文化財としての価値を高めることができると考えられています。
伝統技術の継承
二つ目の理由は、伝統技術の継承です。
木造建築の復元工事を通して、江戸時代の高度な大工技術を現代の職人たちが学び、次世代へ伝えることができます。
実際、名古屋城には「金城温古録」や「昭和実測図」、戦前のガラス乾板写真など詳細な史料が残っており、忠実な復元が可能とされています。
こうした貴重な機会を逃す手はないと考えられているのです。
もちろん、工事費用は鉄筋建築で建て替えるよりもはるかに高額で、500億円規模になると言われています。
それでも名古屋市が木造復元にこだわるのは、歴史と文化を未来へ繋ぐためなのです。
復元再建工事の費用と寄付の方法

名古屋城天守閣の木造復元には、およそ500億円という莫大な費用が必要とされています。
これは、もし鉄筋コンクリートで再建する場合のおよそ30億円と比べると、10倍以上の額です。
それでも木造復元を進める理由は、先述の通り歴史的価値と技術継承のためです。
この費用は基本的に名古屋市の予算から捻出されますが、寄付金も募られています。
寄付は1000円から可能で、金額に応じた記念品や御礼の品が用意されています。
例えば、寄付者には通行手形風の記念証や、ふるさと納税の場合は返礼品もあります。
寄付方法としては、名古屋城総合案内所や名古屋市内16区役所、6支所などで納付書を受け取り、金融機関で振り込みができます(手数料無料)。
また、郵送で納付書を取り寄せることもでき、インターネットからクレジットカードでの寄付にも対応しています。
名古屋市外に住む方でも、ふるさと納税として寄付することが可能です。
もし名古屋城の木造復元に賛同されるなら、こうした寄付を通して歴史的プロジェクトに参加してみるのも良いかもしれません。
なぜ名古屋城は天守閣に入れなくても人気なのか?

名古屋城は、天守閣に入れない現在でも多くの観光客でにぎわっています。
その理由のひとつが、本丸御殿の存在です。
本丸御殿は2018年に復元が完了し、豪華絢爛な障壁画や繊細な欄間彫刻が間近で見られる貴重なスポットです。
金箔を贅沢に使った装飾や、虎や松の絵など戦国武将の権威を感じさせるデザインは圧巻で、天守閣に登れなくても十分に満足感があります。
さらに、名古屋城の敷地内には「金シャチ横丁」という飲食エリアがあり、味噌カツや手羽先、味噌煮込みうどん、あんかけパスタなど、名古屋名物を一度に味わうことができます。
観光とグルメを同時に楽しめる点も人気の理由です。
また、周辺には名城公園や円頓寺商店街といった立ち寄りスポットもあり、名古屋城を中心に1日観光コースを組むことができます。
このように、天守閣に入れなくても見どころが豊富なことが、名古屋城が変わらず人気である理由です。
名古屋城周辺のおすすめ観光スポット
名古屋城に訪れたら、天守閣に入れなくても周辺には魅力的なスポットがたくさんあります。
本丸御殿

まずおすすめなのが本丸御殿です。
2018年に復元が完了し、豪華絢爛な障壁画や繊細な欄間彫刻が間近で見られます。
金箔をふんだんに使った襖絵や、虎や松が描かれた障壁画は圧巻で、当時の武将文化の華やかさを感じることができます。
金シャチ横丁

次に金シャチ横丁。
こちらは名古屋名物グルメが集まるエリアで、味噌煮込みうどん、味噌カツ、手羽先、名古屋コーチン料理、あんかけパスタなど名古屋グルメを満喫できます。
太めの麺にスパイシーな餡が絡むあんかけパスタは、一度食べるとクセになる味わいです。
円頓寺商店街

また、徒歩圏内には円頓寺商店街があります。
昭和レトロな雰囲気を感じられる商店街で、明治創業の老舗和菓子店や、ベトナム料理、イタリアンバルなど多彩なお店が立ち並びます。食べ歩きにもぴったりで、名古屋名物も楽しめます。
名城公園

さらに、地下鉄名城線「名城公園駅」すぐの名城公園もおすすめです。
園内には四季折々の花壇が広がり、散歩やランニング、カフェでの休憩にも最適。
都会の中とは思えないほど自然豊かで癒されます。
このように、名古屋城周辺には天守閣以外にも見どころが満載なので、工事中でも訪れる価値がありますよ。
まとめ|天守閣公開が再開されるまで名古屋城を楽しもう
名古屋城の天守閣は、耐震性の問題から2018年より閉鎖され、現在は木造復元工事の準備が進められています。
当初予定よりも大幅に遅れており、完成は最短でも2032年度と発表されています。
石垣保存やバリアフリー対応など課題は多く、今後も工事計画に変更があるかもしれません。
それでも名古屋城には、本丸御殿や金シャチ横丁、周辺の円頓寺商店街や名城公園など、天守閣に入れなくても楽しめる見どころがたくさんあります。
工事中だからと訪問を諦めず、今だからこそ味わえる名古屋城の魅力を感じてみてください。そしていつか、木造で蘇った新しい天守閣に登れる日を楽しみに待ちましょう。